アニメやゲームの定番ジャンルのひとつに「ロボット」があります。創作物のロボットは巨大な搭乗型、意志を持つような自立型、マスコットのような可愛いタイプなど多彩な種類があり、いずれも違った魅力を持っているものです。
ゲーマーのみなさんが現行機で遊べる素敵なロボットゲームを紹介する企画、それが【ゲムスパロボゲーカタログ】です。今回取り上げるのは、2025年5月22日にSteam/ニンテンドースイッチ向けにリリースされたガンダムバトルアクション『機動戦士ガンダムSEED BATTLE DESTINY REMASTERED』です。


PSVita作品がリマスター&パワーアップ!
『機動戦士ガンダムSEED BATTLE DESTINY REMASTERED』は、2012年にPlayStation Vita向けに発売された『機動戦士ガンダムSEED BATTLE DESTINY』のリマスター作品です。
プレイヤーは「機動戦士ガンダムSEED」「機動戦士ガンダムSEED DESTINY」および外伝などの関連作品を含む世界を舞台に、パイロットとして各勢力に属しながら様々なミッションへと挑んでいきます。アニメの物語を体感するだけでなく、他勢力から見た異なった歴史を見ることも可能です。



ゲーム内では、作品に関連した100機を超える機体が登場。条件を満たすことでプレイヤーが操作できる機体も増えていきます。また、機体性能や武器のチューンも可能なので、お気に入りの機体を自分だけのカスタム機に改造して、キラやアスラン、シンたちと共に戦場で駆けられます。
リマスター版ではグラフィックの向上だけでなく、全体的なバランス調整として一部モードの緩和、パイロット編集の改修などを実施。さらに、同じセーブデータで各勢力でのルートをプレイできるようになっています。そのほか、操作系統やUIなど、多くの面で調整やリマスター向けの改善も行われています。
ナチュラル?コーディネイター?
ゲームでは、まずプレイヤー分身となる主人公と、戦場でサポートしてくれるパートナーを作成します。名前や見た目のほか、重要な項目として自分が「ナチュラル」なのか「コーディネイター」なのかを決定しなくてはいけません。
コーディネイターとは「遺伝子調整により誕生した新人類」のことで、先天的に強靱な肉体と優秀な頭脳を獲得しているのが特徴です。ゲーム内では、一部のコーディネイター向けの機体を使用する際に、ナチュラルの場合は性能にデメリットが発生します。また、ナチュラルでは最初にZ.A.F.Tルートが選べません。




ゲーム内ではまず簡単なチュートリアルとして基本操作を学びます。本作の戦闘は主兵装(切替)・副兵装・格闘の3つが基本装備で、状況で使い分けることが重要です。攻撃時はロックオンも可能で、近くの敵や重要な目標など、さまざまなターゲットを定めることもできます。
また、戦闘中に貯まっていく「SPゲージ」を使用することで、チャージ攻撃や素早いチャージ移動、機体やパイロットの力を引き出す「SPアタック」などが使用可能。チャージ攻撃は強力なだけでなく、即座に武器をリロードできるというメリットもあるので、SPゲージの管理は本作の大きなポイントです。





チュートリアル後は、主人公の勢力ごとのストーリーミッションが選べるように。今回は地球連合軍でスタートしたところ、最初に使えるのは量産機の「ストライクダガー」のみでした。アニメ「機動戦士ガンダムSEED」の発端となったヘリオポリスコロニーで、いよいよ物語の始まりです。



戦場を駆けて己と機体を強化せよ
本作のミッションには、「敵を殲滅する」「防衛目標を護り切る」「特定の機体を倒す」などの目標が定められています。また、ミッションによっては他勢力の介入といったイベントで途中で目的が変わることもあり、戦場は刻一刻と変化していくのです。
ミッションクリア後はリザルト画面に移り、ステージ内の戦果によってランクが決定します。ランクは敵を倒した数や種類、クリアまでの時間などのほか、特定の条件を満たすことで追加されるスコアによって最大SSランクまで設定されています。高ランクでは、追加の機体やパイロットも獲得できます。





戦闘後にキャラクターのステータスも上昇していきます。上昇するステータスは戦闘内容に依存しているため、使用している機体の特性や戦い方で、どんどん自分自身の能力が高まっていく感じも味わえます。ミッションによってはスキルを獲得可能で、ある程度自由な付け替えも行えます。
また、ミッションで獲得したポイントで機体の基礎ステータス、武器の威力・弾数・リロード速度など、その機体ごとに定められた限界数値をカスタムできます。細かく分かれているのも良いですね。
量産機であっても大きく性能を変えられるので、コンセプトに合わせた特別な機体を作り上げることもできます。改造でコストが重くなるとミッション中に復活できる回数も減るので、状況に応じて調整しましょう。





ちなみに制約のあるナチュラルの利点として、パッシブスキルを2つ持てるという点があります。スキルは条件によって強力なものも多く、汎用性の高さではナチュラルのほうが優れているかも。なお、ルート次第では“ナチュラルであっても制限機体に乗れる”スキルがありますよ。





SEED世界をたっぷり体感!
ストーリーではさらなる分岐もあり、ゲーム内では主に3つの勢力それぞれのストーリーが用意されています。ストーリー自体も「機動戦士ガンダムSEED」「機動戦士ガンダムSEED DESTINY」の2つを中心としたメインストーリーと、外伝作品のさまざまなストーリーが楽しめます。
リマスター版の大きな特徴として、1つのルートをクリアした後、他勢力のストーリーも同じパイロットで楽しめるというものがあります。自分で鍛えたパイロットで様々なルートを遊べるので、各勢力のミッションを高ランクでクリアしやすく、比較的簡単に機体やキャラクターを解放しやすいのは嬉しい部分です。





さらに、特定の条件を満たすことで搭乗機体やチューン限度、機体やパイロットの出撃可能な時代など、多くの要素に関する「制限解除」ができるようになります。
ゲーム内には高難度ミッションも用意されているので、まずは制限解除を狙いつつ、パイロットや機体を育てていきましょう。次第にナチュラルであっても、Z.A.F.Tルートも遊べるようになりますよ。
なお、ミッションにはメインとサブの2人のパイロットが出撃できますが、アンロックしたキャラクターも指定可能です。制限解除の中にはゲストパイロットの育成解放もあるので、自分でキラやシンを使ったり、彼らの相棒として活躍したりといったロールプレイも楽しめますね!






『機動戦士ガンダムSEED BATTLE DESTINY REMASTERED』は、100機を超える豊富な機体を自由に使いながら「機動戦士ガンダムSEED」シリーズの世界をたっぷりと体感できる1本です。ストーリーだけでなく、ミッションでの高ランク獲得や高難度コンテンツなどもあり、制限解除とあわせてじっくりと育成やカスタム、組み合わせも楽しめます。
リマスターされたことでグラフィックの向上はもちろん、ルート繰り返しなど、さまざまな面で遊びやすくなっているのも嬉しいところ。ただしロックオンなど一部操作は少しクセがあり、慣れるまでは戦闘中にいきなり後ろを向いて蜂の巣にされることも。運が悪いとエースにリスキルに近い殺され方をすることもあるなど、やや理不尽なところもあります。いきなり飛んでくる口から発射ビームが痛すぎる……!



どうしても13年前の携帯機向けの作品ということもあり、ミッションはある程度同じような内容も多く、地形なども大きく変化しません。しかし、登場する機体には意外なものも多いですし、それぞれ個性もあるので、作品のファンはもちろん、様々な機体をカスタムして楽しみたい人にはオススメですね!





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