今やPC/コンソール/モバイルそれぞれのプラットフォームでサバイバルジャンルの作品は定着していて、多くのプレイヤーがさまざまな世界を舞台にサバイバルを楽しんでいます。
Game*Sparkでは【クラフトサバイバル名鑑】として、同ジャンルが好きな筆者が、定番作品を中心にクラフトサバイバルジャンルの作品の魅力を紹介・解説しています。今回紹介するのは、2025年5月7日にSteam早期アクセスをスタートした要塞車両カスタムサバイバル『Survival Machine』です。
ゾンビアポカリプス世界を巨大マシンで生き残れ!
『Survival Machine』は、ポーランドのゲーム開発スタジオGrapes Pickersが手がける作品(パブリッシャーはGames OperatorsとPlayWay)。Grapes Pickersは2021年に設立され、これまで『サイバーパンク2077』『Dead Island』『Frostpunk』『PAYDAY2』などの作品に関わった実績のあるメンバーで構成されています。
本作は2021年に最初のトレイラーが公開され、その後はしばらく開発に関する動きがありませんでした。その後、2024年1月に正式に開発が発表(2023年にプリプロダクションもパブリッシャー撤退の危機なども)され、クローズドテストや体験版などを通じて開発を進めてきました。

ゲームの舞台は、ゾンビたちであふれる文明崩壊後の世界。プレイヤーは生き残った人間として、巨大な移動式要塞のようなマシンに乗って世界中を旅しながら、生き残るために地域を探索したり、定期的に襲撃してくるゾンビたちに立ち向かって生き残る道を探していきます。
マシンは上部デッキがカスタマイズ可能で、色々な生産施設や防衛施設を設置することができます。また、マシンの機能をアップグレードして速度や耐久力を上げたり、新たなプレイヤースキルを得たり、旅に便利な能力を得られます。また、4人までのCo-opにも対応しています。


配信中の早期アクセス板ではシステムのコア部分はほぼ完成していて、ゲームの最初のバイオームである「フロンティア」が実装済み。およそ1年間の早期アクセス期間を予定していて、製品版ではさらなるバイオームやアイテムなどのコンテンツの拡充、フィードバック反映などを計画しています。




マシンと一緒のサバイバル生活スタート!
ゲームはまずワールド生成を行い、キャラクターの見た目と難易度を決定します。2025年5月17日のアップデートでワールドカスタマイズ機能も実装され、ゾンビ襲撃の頻度や各エリアにいるゾンビの数、アイテムなどの劣化に関する設定などを自由に変更できるようになっています。
本作の物語は、主人公の住む家がゾンビの集団に襲われているシーンからスタート。まずはチュートリアルとして、謎のマシンを作り上げた技術者・バヴェルの指示に従いながら、アイテムの採取やクラフト、戦闘などのゲームのチュートリアルを進めていきます。





拠点であり移動手段であるマシンを稼働させるためには燃料が必要です。チュートリアルでは簡単な斧を作り、木を切って入手した木材を投入してマシンを移動させます。燃料が切れてしまえば移動はもちろん、マシンに設置された発電機も止まってしまうので、補給はしっかりと行いましょう。
『Survival Machine』では、ある程度マップを移動することで、各エリアから新しい施設や装備をアンロックできる仕様です。ゲーム内では、壊れた橋や落石などの障害物で定期的にマシンの進行が止まり、その解決方法を見つけるためにプレイヤーが世界を冒険することになります。





しかし、夜になると定期的にゾンビがマシンを襲撃してくるので防衛も考えねばなりません。ゾンビにマシンの中枢パーツを壊されるとゲームオーバーになるので、日中はエリア探索で素材集めを行い、襲撃の夜にはしっかりと防衛の準備を整えておくことが大切です。

マシンを改造して快適生活!
本作ではマシンの上部デッキのみにプレイヤーが自由に施設を配置できます。クラフトサバイバルの基本とも言える作業台や溶鉱炉を置けば作れるアイテムの種類は増えますし、インベントリを確保するために収納施設も必要ですし、何より多くの施設を稼働させるための発電機は必須です。
幸いマシンはかなり巨大なので、序盤で施設を置く場所に困ることはありません。施設やアイテムの製作に必要な素材は、各地に残された廃墟を調べたり、ゾンビを倒して入手可能。ゲームではクエスト進行のために設計図や貴重な素材が必要になることもあります。



重要なアイテムは各地に宝箱として存在していて、見つけるためにパズルを解いたり、ジャンプアクションを駆使したり、隠されたスイッチを発見しなければならないことも。また、当然ながら重要なエリアにはゾンビが待ち受けているので、戦闘の準備も必要です。
設計図を入手することで、新しい施設や装備品だけでなく、マシンの強化も可能です。最初はゆっくりしか動けないマシンもエンジンを強化すれば新しい地域へ到達しやすくなります。こういった重要アイテムを見つけるための「ソナー」もあるので、探索はかなり快適に行える印象です。





マシン上部を自由にカスタムできるのも面白いのですが、現状は家具にほとんど意味がないのがもったいない部分。こだわらないのであれば、ほとんど生産や発電施設のみを置くだけでも問題ありません。せっかくの拠点兼移動施設なので、居住性の要素も今後期待したい部分です。





ゾンビの襲撃を乗り越えろ!
ゲーム内では、デフォルト設定で2日に1回ゾンビがマシンを襲撃してきます。襲撃の日はバヴェルが警告してくれますし、拠点に瞬時に戻るアイテムもありますが、あまり日中の探索に時間をかけていると準備不足になりかねないので注意は必要です。
ゾンビはマシンを追いかけてきてデッキへと登り、プレイヤーやマシンの重要パーツを狙って攻撃してきます。数回のWaveを耐え抜けばクリアですが、日数が進めばどんどん敵の数や種類も増えていくので、こちらも壁や防衛設備で万全な対策を行わなければなりません。



本作の戦闘はライフとスタミナ制で、プレイヤーは武器に応じた必殺技をスタミナ消費で行えます。棍棒であれば敵をスタンさせられるので、強力なゾンビなどを相手にする際には頼れる相棒です。また、ゾンビ襲撃時は「壁を登ってくるゾンビを撃ち落とす」ことも必須テクニックですね。
マシン上部(建築部分)の「送風ヒーター」「ピストン」は、時間とともに少しずつ劣化していきます。しっかりメンテナンスしておかないと、ゾンビ襲撃時に簡単に壊されてゲームオーバーになるので、常日頃からチェックしておきましょう。マシンがなければ生きてはいけないのです。




現時点のビルドでは、プレイヤーを目指そうとする性質があるためか、壁を迷路のような配置にするとゾンビの動きが混乱してしまうことも。動線を作りやすく、スパイク床で簡単に撃退できるので、あまり脅威になっていない要素でもあります(カスタム設定でゾンビの数を200%にすると流石にきついです)。




『Survival Machine』は、放浪サバイバルとゾンビ、そしてメカ要素を融合させた非常に魅力的な世界を楽しめる作品です。クラフトサバイバルとしても採取・クラフト・アップグレードをオーソドックスなシステムを採用していて、その上で重要な施設やアイテムの位置がわかる「ソナー」機能など、便利さを兼ね備えてストレスを感じさせません。
まだSteam早期アクセス段階なためか、半ランダム生成のマップはほとんど同じ構造の建物が多く、謎解きがほぼ共通しているのは今後の改善を期待したい部分。謎解きや戦闘自体は楽しいのですが、どうしてもバイオームが少なくやや繰り返しになるため、今後のコンテンツ拡充に大いに期待したい部分です。



「巨大メカでゾンビ蔓延る世界を冒険する」というコンセプトが好きな人にはぜひともオススメの一作です!